8月11日〜8月20日

読んだ本とか

東雅夫・編「妖怪文藝<巻之壱> モノノケ大合戦」小学館文庫、619円)。編者の東氏と京極夏彦氏の妖怪小説に関する対談から始まって、第一部は妖怪同士や妖怪vs人間の大合戦小説を古今の名品から5編。第二部は「文藝妖怪名鑑」と題して、妖怪を描いた小品を11本収録。表紙の絵もいいし、中のセレクトも楽しいし、妖怪小説のバリエーションをたっぷりと楽しめる、こんな有り難い本は滅多に無い。妖怪という存在の面白さと、妖怪を小説で扱う面白さの両方を一度に感じられる本だから、俺なんか、持ってるだけで顔が緩む。南條範夫「月は沈みぬ-越国妖怪譚」の恋に狂った妖怪達の情けない闘いぶりとか、藤原審爾「妖恋魔譚」の絡新婦vs人間の恋と闘争の両方を一度に描く凄まじさとか、石川淳「狐の生肝」の魔法使いみたいな坊主と狐の心理戦とか、入澤康夫「牛を殺すこと」という詩の牛系妖怪を包括するような怖さとか、小田仁二郎「からかさ神」の馬鹿馬鹿しさとか、今江祥智「雪女」の雪女の間の流行の話の恐ろしさというか可笑しさというかとか、一つ一つが、かつて夢中で妖怪図鑑のページをめくった時のようなワクワクを感じさせてくれる本。これは本当に面白い。

妖怪文芸 巻之1
東 雅夫編
小学館 (2005.9)
通常24時間以内に発送します。

秋本治こちら葛飾区亀有公園前派出所 146」集英社、390円)。大阪の笑いの基本を、子供の読者に教えるようなエピソードとか、アーチェリーと弓道の合同戦線の話とか、相変わらず面白い。外れが本当に少ない。一度、1巻から一気読みしたいのだけど、怖くてまだ実現せず。全巻部屋に置いてるから場所とってしょうがないけど、手放せない。そして新刊も買い続けている。

よしながふみ「こどもの体温」新書館、505円)。上手いなあ。最後に入ってるスケッチみたいな、単に子供を怒って、泣いちゃって、それを抱きしめるだけのネタが、何かたまんない。スキンシップみたいなことの描写が上手いんだよなあ。卑怯だなあ。ただ、女性描くときほど、徹底しない分、エピソードが温くて、そのヌルさが、良かったりモノ足らなかったり。そのあたりの、モヤモヤ感が出せることを含めて、大したもんだと思う。

こどもの体温
こどもの体温
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.24
よしなが ふみ著
新書館 (1998.8)
通常2??3日以内に発送します。

綾辻行人原作・佐々木倫子漫画「月館の殺人(上)」小学館、1000円)。期待はしてなかったけど、面白かった、良かった。何だかしらんがホッとした。綾辻さんの仕事に対して、何故か俺はいつも、ビクビクして読んで、面白いとホッとするのが我ながら不思議だが、そういう危うさは常につきまとう。黒澤清さんも同じか。まあ、タイトルからして舐めているので、多分大丈夫とは思ったのだけど、それにしても予想以上だった。佐々木倫子氏のある意味魔夜峰央に近い、描線とギャグの絡み具合が、トラベルミステリという形式とか、鉄道ヲタクの描写とかにピッタリだったというのも、この成功のポイントか。ボケと傍若無人を描かせたら本当に上手い。綾辻さんも明らかに、それを意識して原作を書いてるし。後は、ちゃんと完結することを祈るのみ。「上」とか書いてあるから、もう連載は終わってるのかと思いきや、この本の続きは、そのまま今月のIKKIで読めるそうで、ということは、続きが単行本になるのは随分先だし、次が「中」か「下」かも分からないのだった。「中1」「中2」とかなったりして。

月館の殺人 上
佐々木/倫子 / 綾辻/行人
小学館 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。

京極夏彦「京極噺六儀集」(ぴあ、1600円)。京極夏彦伝統芸能のコラボ、つまり、最初の茂山狂言と組んで「豆腐小僧」「狐狗狸噺」の二作を上演した「妖怪狂言」と、春風亭小朝への「死に神 remix」、茂山狂言への「新・死に神」、神田山陽の講談「小豆洗い」を上演した「京極噺」での、京極さんが書いた分四本(「豆腐小僧」「狐狗狸噺」「新・死に神」「死に神 remix」)に、実際の上演台本を三本(「豆腐小僧」「狐狗狸噺」「新・死に神」)、それに、神田山陽が「巷説百物語・小豆あらい」を元に講談にした台本や、茂山千之丞の新作狂言に関するエッセイ、茂山千五郎のインタビューなどを収録した本。実演も全部生で見ているので、原稿段階と上演台本と舞台を追って見ることが出来て面白かった。しかし、問題は小朝師匠の「死に神 remix」で、実際に見た高座と、京極さんが書いた台本の間に差があり過ぎて驚いた。小朝師匠、台本の面白い部分を全部カットして、元の死神とほとんど変わらない噺として上演していたのだ。何だったんだろう。台本は、円朝が死神を作るにあたって参考にしたイタリアの話を上手く使って、しかも「あじゃらかもくれん」の呪文が何故効くのかを説明して、ふとんひっくり返しもOKにするなど、タイトル通り、死神リミックスになっているのに、そういう部分は全てカットした小朝師匠は、何考えたんだろう。謎だが、多分、これは解けるような種類の謎ではないのかもしれない。

京極噺六儀(だいほん)集
京極/夏彦??著
ぴあ (2005.8)
通常24時間以内に発送します。

▼あと、ハロルド作石BECK 1〜23」講談社)も読んだ。バンド版の「はじめの一歩」なのだった。でも鷹村さんはいないし、アメリカの話がちょっと鬱陶しいし、どうなんだろうなあ。つまらなくはないが、凄く面白いこともない。期待し過ぎたか。

見たライブとか

▼12日は、歌舞伎座の夜の部「法界坊」をAllAboutの担当の田中さんと見に行った。平成中村座でやった串田演出版の法界坊を歌舞伎座に持ってきたもの。なので、当然、法界坊は勘三郎。仕掛け沢山で、基本はコメディで、スピーディーに場面が変わって、歌舞伎の初心者を連れていくのに、これだけピッタリの芝居も少ないか。多少勘三郎の悪乗りが過ぎて、橋之助が笑い過ぎとか、七之助の野分姫が福助のパロディみたいだとか、お組が扇雀なんで、あそこまでモテる意味が分かりにくいとか、細かい部分で不満もあったけど、福助は思いの外突っ転ばし風が似合っていたし、演出のキレは良いし、残虐な場面をちゃんと残酷趣味で見せてくれるし、歌舞伎らしい歌舞伎を見せようという意欲が感じられて面白かった。宙乗りは、もう少ししつこくても良いと思う。歌舞伎初見の田中さんが大喜びしてたのは嬉しかった。面白いのを見たら面白いのだ。

▼13日は魚輪君と新宿明治安田生命ホール「SWAクリエイティブツアー」を見に行く。今回のテーマは「神田山陽」。どういうテーマだという感じだけど、9月から1年間イタリアに行ってしまう神田山陽の壮行会的な意味合い。なので、メンバー全員が神田山陽に何らかのかたちでちなんだ噺を演じる。演じた順序と演目は以下の通り。この5席を休憩無しで一気に。

喬太郎師匠の「存在証明」仕事でイタリアへ行ったというお父さんの家族の話。こういう、思い込みの強いオバサンは喬太郎師匠の得意技だな。見えてないというより、見たくないで目を背けている感じを表すのが上手い。マゾ風おじさんは良く演じてるけど、実はあまり得意でないのかもしれない。彦いち師匠の「拝啓、南の島より」は、南の島の名物オババがいる民宿と、南の島かぶれのお姉ちゃんの話。単に山陽さんが南の島によくいる、というところと、ネタの中に三代目を継ぐというエピソードが出てくるのが山陽テーマ。オババのキャラ立てが良かった。白鳥師匠の「幸せの黄色い干し芋」は、山陽さんの故郷北海道に行った事がない白鳥師匠がガイドブックだけで作った北海道の話。無駄に北海道観光ポイントが出てくるのがポイント。面白かった。最近、白鳥師匠に外れ無し。昇太師匠は、山陽師匠の得意ネタ「レモン」を講談としてやって、後半を新作落語のスタイルで別の物語に持っていくという、山陽さんを誰よりも知る昇太師匠ならではのネタ。講談部分のたどたどしさが笑う。そこも芸の内にしてしまうのが、昔からの昇太師匠の卑怯な得意技である。最後は山陽師匠。「花咲く旅路」は、裸で登場して、舞台上で着物を着るといういつもの逆パターンから入る。リリカルな話しを乱暴に演じるという、これも山陽師匠の得意パターンで「言葉が美しくなる水」を巡る旅立ちの話を熱演。新作って、こういう有り方が一番良いのかも、と思わせる、何ともアップトゥデイトな落語会だった。もしかしたら、何かが終わったのかもしれない、という感じもした。

▼16日は下北沢本多劇場に劇団健康久しぶりの復活公演「東京あたり」を、これも魚輪君と見に行く。もう本当にくだらない、80年代テイストだらけのシチュエーションコメディであった。仮装家族というネタが、既に80年代的な上に、メタ視点を中途半端に差し込んで笑いを増やしていくパターンとか、最終的には屁がテーマであったりすることとか、懐かしいといえば懐かしいけど、いまだかつてパターンとして認知されたことは無いから、知らない人にはいつの時代もウッカリ斬新に見えてしまうというような、そういう脚本を意識的に作り込んだ上で、メチャクチャ自虐的なオープニングで始める、その労力の割には効果が薄い無駄な屈折が泣ける。松尾スズキ宮藤官九郎を上手く使って、その象徴として奥菜恵にキレイの「ケガレのテーマ」を歌わせるオープニングムービーのとてつもない下らなさが、この芝居の全てと言っていいのかも。笑った笑った。全てのテーマとか伏線とかが、現れては消失させられる、ナイロンの舞台の逆をいくような構造は計算づくなのに、とても下らなくて、そういう芸当が、何となく考え無しに出来てしまうのがケラの凄い所だと思う。こんだけ下らないのを見たのも久しぶりで、何か、とても元気が出た。この芝居見て大笑いしたからこそ、次の日からの名古屋旅行を元気に終えることが出来たようにさえ思う(言い過ぎ)。

その他のした事とか

▼11日は、ソフトバンクの「DO YOU?」という雑誌用のお茶コラムのための写真撮影。撮影用にお茶とか道具とか持っていって指示出し。サプリ特集のコラムなのだが、俺による俺の「効能」に対するスタンスの表明は、従来のお茶の効能的な記事とは全く違って笑えると思う。原稿も、この日の内に書いた。さらに、01でiTMS特集の打ち合せも。

▼15日は、ひらたさん恵さん麻布十番竹里館小さなお茶会。恵さんの京都土産の和菓子をたべて、ひらたさんの新茶を飲んで、俺は人数が少ないからこそ持っていける高級洋菓子を持っていって、だらりんと食べて飲んで。お茶は少人数がいいなあ。帰りに、饂飩くろさわで黒豚カレー南蛮を食った。

▼後は、生命保険の契約を変更したり、iTMSについての細かい調査とかして報告書作ったり、iPod本の原稿書いたり、旅行の準備したり、昇太ムードデラックスの電話予約とか(ゲット)、ウーマンリブ公演「七人の恋人」の優先予約とか(ゲット)。

ポケパークとか愛・地球博とか

▼17日〜19日で、家族三人、名古屋へ旅行。家族で泊まれるホテルがとても少ない名古屋なので、ヒルトンに泊まったおかげで宿泊費が突出する旅行になってしまったけれど、その分、居心地は良く、廉は「ホテルにずーっといてもいい」と言い出すほど。ともあれ、随分久しぶりの家族旅行(3年ぶりくらい)。しかし、俺はほとんど完徹状態で出発。

▼17日は、昼に着いて、ホテルに行ってラウンジで無料のアイスコーヒーとか紅茶とかお菓子とかいただきながら、部屋の用意が出来るのを待つが、少し時間がかかるというので、ホテルのレストランで軽くパスタとか食ってから、荷物だけ預けて「ポケパーク」へ向かう。ポケモンのテーマパーク「ポケパーク」は、新幹線の窓から見たりしていると、何ともショボイ遊園地に見えたのだが、中に入ると、この世のものとは思えないような、やたら幻想的な空間だった。廉は、もうこっちが驚くくらいテンションが上がって、一人で色んなアトラクションに乗って喜んでいる。一人っ子だから、コーヒーカップとかも一人で乗ってはしゃいでいるのは哀しいような気もするが、本人は気にしてないようだった。観覧車とかは一緒に乗ったし。それにしても、アトラクションに乗るのにはEdyで支払うのだけど、これが金銭感覚を狂わせる。CR導入直後のパチンコ屋みたいな感じで、気がつくと大金を投入しているという感じ。怖い。アトラクションに乗れば、オリジナルのポケモントレカがもらえるというのも上手い。立体映画は、アニメと3DCGを上手く組み合わせて、キャプテンEOクラスの立体映画になってたし、インターネットと連動する「ポケモンわくわくサファリ」みたいな凝ったアトラクションもあって、楽しい遊園地ではあった。夜は涼しくなって人も減って、乗りたいアトラクション全部回っても、結局、「ポケモンわくわくサファリ」に50分くらい並んだ他は、全部10分以内の行列で済んだ。帰りに、ホテルの向かいにあった世界の山ちゃん手羽先の唐揚げとかどて焼きとか食って、ホテルでは、倒れるようにして寝る。

▼18日は、のんびりと朝食ビュッフェとか食べて、昼前頃駅に。そこから愛・地球博へ。会場へは名古屋駅からの直通バスで行く。出発時間直前に行って、ゆっくり座れて30分で会場に着くのでとても快適。乗り換え無しだし。で、地球博は広かった。暑かった。人が多かった。といっても、午後からのんびり行って、最大50分程度の行列だけで、「冷凍マンモス」を見て、「キッコロゴンドラ」に乗って、ドイツ料理食って、「イギリス館」見て、「ワンダーホイール展・覧・車」に乗って、「ワンダーサーカス電力館」見て、「超電導リニア」の展示車両に乗って、「自転車タクシー」乗って、「グローバルトラム」で夜の会場を一周して、土産物屋でお土産買って、ホテルで晩飯食って、11時前には寝てたのだから、上手く回ったと言ってもいいのではと思う。色々あって事前予約が一つもとれなくて、それでも余裕でこれだけ回ったのだった。「日立グループ館」だけ心残りか。「キッコロゴンドラ」は、メチャクチャ楽しいので、是非。しかし、こういう所で行列に並んでると、色んな人間模様が見えて面白い。

▼19日は、昼にチェックアウトして名古屋港水族館へ。しばらく行かなかったら、新しい建物とか出来てて、シャチとイルカがやけに充実した水族館になっていた。シャチはデカイ。相変わらず、室内のペンギンが面白い。名古屋駅に戻って山本屋総本舗の味噌煮込みうどんを食べてから、新幹線で帰京。新幹線では爆睡。東京に着いたら、丸ビルの満点星でオムライス食って(かみさんはハヤシライス、廉はシーフードグラタン)帰宅。草臥れたが、我が家にしてはちゃんと動いた旅行だったと思う。廉はとても楽しかったようだし。いずれにせよ、多少の無理をしないと旅行って行けないもんではあるのだから、行くと決めたら無理はするのだった。それだけのことはあるし。面白かった、色々。

8月11日〜8月20日までの備忘録

▼8月中旬も忙しい。単行本を進めつつ、雑誌もやりつつ、名古屋に行って愛・地球博見たり、歌舞伎行ったり、SWA行ったり、劇団健康行ったり。仕事は抱えつつ、夏休み週間といった感じか。書くこと多くて、ちょっとなあ。外出が続いて、かなり弱ったりもした。

8月1日〜8月10日

読んだ本とか

石塚公昭「乱歩 夜の夢こそまこと」パロル舎、2000円)。もう皆に買ってもらいたい名作。あの、人形作って写真撮って古式のプリントにこだわる石塚さんの作品集がついに出た。出版記念パーティーに誘ってもらっていたのだけど帰省と重なって行けなかったのが悔やまれる。本当に良い本だからお会いして感想とか言いたかった。「怪人二十面相」「黒蜥蜴」「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「押絵と旅する男」「目羅博士の不思議な犯罪」「盲獣」「白昼夢」といった乱歩作品を題材に、現実を虚構化するために撮影されたような写真を集めた作品集。リアルでないからこそ生まれるリアルにどっぷり浸れる。もっと大判で見たい気もするけど、石塚さんの作品がまとめて所有できるのだから言うことはない。

乱歩
乱歩
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.24
石塚/公昭??著
パロル舎 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。

魔夜峰央「親バカ日誌」「親バカの壁白泉社、各650円)。子育てエッセイマンガは多いけど、もはや育ってしまった中学生とかを題材にしてるのは珍しいのではないか。しかも、あの魔夜峰央の絵のまんまで、親バカ日誌なのである。で、ダジャレみたいなもの満載である。もう大好きだ。

親バカ日誌
親バカ日誌
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.24
魔夜 峰央
白泉社 (2001.8)
通常24時間以内に発送します。
親バカの壁
親バカの壁
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.24
魔夜/峰央
白泉社 (2005.6)
通常2??3日以内に発送します。

▼あと、ちょっと入手したからということもあって、「ドラゴン桜 1〜7」「天上天下1〜12」「魁!男塾 全34巻」「美味しんぼ 51〜84」などを読む。「魁!男塾」はやっぱ面白い。「ドラゴン桜」は、あんまり面白くない。ハウトゥーとしても、もう少し。「天上天下」は、この手の美少女格闘系では確かに最高峰かも。「一騎当千」よりはかなり上を行く。

した事とか

▼1日、2日は、01用の原稿書き。取材とか打ち合せで内容は固まっているからすぐ書けると思ったら、全然そんなことはなく結構苦戦。

▼3日は、iPod本用の写真撮影に立ちあって指示出しして、終わり次第東京駅に走って、かみさんと廉を迎えに行ったりした。

▼4日には、Appleの発表会に東京国際フォーラムに行って、ジョブスの演説聴いて、BECKの弾き語りを聴いて、iTunes MusicStoreの曲が10曲買えるプリペイドカードを二枚もらう。その後、廉と落ち合って映画を見る。

▼マリオンで映画「ミュウと波動の勇者ルカリオ」を見る。捨てられたペットの哀しみの話。シンプルなストーリーなので、もっと短く刈り込んで撮って欲しかった。ちょっと引き伸ばしたような印象。廉も去年の「烈空の訪問者デオキシス」の方が面白かったと言っていた。戦いも基本的には無いし、クライマックスは地味だし。

▼5日〜7日は、海風號で「iPod Expo mini」を開催。前日まで、ここに出品する準備とか、他の人への連絡とか。幹事というか、そういうの向いてないな俺。設楽さんが不快にならないと良いけど、と思いながら、セールスもやったりして。まあ、楽しかった分には十分楽しかったのだけど、相当疲れたことも確か。

▼5日は関係者集めて飲み会。設楽さんに教えてもらった麻布十番の居酒屋「十番」はとても居心地が良い店だった。そこに、今回の出品者である、祥洲さん大西さん&弟さん、バード電子斉藤さんsuono加藤さんイラストレーターのたかしまてつを君と中村さん、俺の8人が集まって、ワーワーして飲んだ。あの、かなり酒に強いたかしま君が前後不覚になるくらい飲むという盛り上がり大会。

▼イベント中は、大谷さんにiPodを使ったオモチャを色々見せてもらったり、Rethinkの守川さんに新作のShuffleケースをいただいたり、製品について相談したり、mad__hatter君に秘密のROMをもらったり、ブックカバーを色んな方に買ってもらったりと、色んな方々とお話ができたのが何より嬉しかった。わざわざ、俺の小説が印刷されているshuffleケースを見に来て下さった方などもいて、あり難いことだった。

▼イベント終了の次の日(8日)は、和光市理化学研究所へ、魔球博士の姫野龍太郎氏のインタビュー。日経KIDS+の新連載のための取材で、「フォークボールは何故落ちるのか」を中心に、変化球の秘密について聞く。変化球を専門に研究して著書もある姫野さんは、話が面白くて、こっちも古くからの魔球好きだけに興味があるもんだから、延々と話を聞いてしまう。何故、ボールが回転しないと揺れたり落ちたりするのかの謎、ストレートとフォークの関係、2シーム、4シームの秘密などなど、本当に面白い取材だった。ラグビーのハイパントを効率的に遠くに蹴るポイントの探求とか、スライダーが何故手元で曲がって見えるのかの究明など、「なるほどー」という話満載。記事は、10月発売の日経KIDS創刊号で。

▼その次の日(9日)は千葉ロッテマリーンズの小宮山投手にインタビュー。千葉マリンスタジアムまで取材に行く。こっちでは、昨日の姫野氏からの話を受けて、実践編というか、実際にプロとして変化球で戦っている選手の側からのフォークの秘密について聞いてみる。小宮山選手は、頭脳派という看板に偽りなく、とても慎重に言葉を選んで正確な表現を心掛ける人だった。それだけに言葉に説得力があって面白い。撮影用に無理に投げる形をしてもらったりもして、大変お世話になった。ありがとうございました。

▼10日は、海風號で、やかん本用に使うやかんのセレクト。50個くらいなら、簡単に良いものがある、そのコレクションの厚みと面白さと、チープさに感動する。BIGIの社長室にも行ったし(ビンテージのギターアンプがゴロゴロしてた)、不思議な形のやかんを大量に見たし、ようやく編集の石川さんを渡邊さんに紹介できたし、本格的に動きだしたという感じ。世界初のやかん本、発売決定なのだった。

▼久々にMac Fan用に、PSPMacみたいな4ページくらいの原稿を書いたり(これが、思いの外時間がかかってしまった)、GetNavi用に手帳について書いたり、iPod本用にグッズをチェックしたり、01の特集用にiTunes Music Storeを色々調べたり。

Apple iTunes Music StoreiTMS)のこと

iTunes Music StoreiTMS)については、発表会にも出たし、プリペイドカードもらったので買って見たり、仕事で細かい部分までチェックしたりした。


  • 感想など色々
    • 詳しいことは9月発売の01とか、単行本とかに書くけど、とりあえず面白いのは、東芝EMIの音源なら、かなり古いもの、廃盤のものも豊富に入手できること。ユニバーサルも強い。ネックはワーナーとアトランティックが不参加なこと。洋楽の定番がごそっと無い。あと、「このミュージシャンのこの一曲が欲しい」という使い方が一般的だとは思うけど、その1曲が意外に無い。俺が探したところでは、尾崎亜美「Walking in the Rain」とか、クリスタルキング「処女航海」、PinkFloyd「Crazy Diamond」なんかは、他の曲はいっぱいあるにも関わらずピンポイントで抜けていて痛い。ピンクフロイドに関しては、特集が組まれていて、そのバナーは「夜明けの口笛吹き」のジャケットなのに、当の「夜明けの口笛吹き」は無いのだ。シド・バレットはアップル的にまずいのか?ともあれ、まだ準備段階という感じで、グランドオープンでは無さそう。今後の充実が急ピッチで進行中という感じで、毎日どこかしら新しくなるので面白い。

8月1日〜8月10日までの備忘録

▼続いて8月の初旬。つまり最初の10日間。この期間は、3日にかみさんと息子が帰ってきて一人暮らしが終わるとか、海風號で三日にわたってイベントやったとか、iTunes MusisStoreが始まったとか、面白い取材が多かったとか、そんな感じか。とても疲れていたことを覚えている。あんまり細部は覚えてない。

7月24日〜7月31日

読んだ本とか

倉阪鬼一郎「青い館の崩壊 ブルーローズ殺人事件」講談社文庫、857円)。同じ著者の「四重奏」と、やってることも、事件も、とても似ているのだけど、こっちの方がフザケ過ぎてて、その分、この手のネタとしては面白く仕上がっていると思う。ホラーと本格ミステリの融合という点でも上手くまとまってる。で、物語自体は大莫迦ストーリーというのは好きだなあ。5万枚のミステリとか、もうゴーストハンター(シリーズの主人公)の壊れっぷりも加速して、ミーコ姫(黒猫のヌイグルミ)の扱いも楽しくて、盛り上がって読んだ。

青い館の崩壊
青い館の崩壊
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.24
倉阪/鬼一郎??〔著〕
講談社 (2005.7)
通常24時間以内に発送します。

倉阪鬼一郎「紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件」講談社ノベルズ、920円)。黒川&ゴーストハンター・シリーズ最新作。吸血鬼原理主義者が起した新興宗教の集会を舞台に、ついに黒川&ゴーストハンターが原理主義者と激突する、シリーズの山場。とはいっても、相変わらずの脱力ミステリ。楽しい。後半、バンバン惜しみなくネタをぶち込んで盛り上げていく手際が楽しそうで、あっという間に読み終わってニヤニヤする、そんな小説。

紫の館の幻惑
紫の館の幻惑
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.24
倉阪/鬼一郎??著
講談社 (2005.6)
通常24時間以内に発送します。

島本和彦「新・吼えろペン 2」小学館、560円)。創作したキャラクターが生きたキャラである場合、それは存在し始めるという状況を活写した「ラヴ・ウィズ・ミー」が凄い。キャラが生きている、死んでいるという曖昧だが正確に見届けることが出来てしまうことについて、とても分かりやすく解説してもらったような気がする。

新吼えろペン 2
島本/和彦
小学館 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。

芳崎せいむ金魚屋古書店出納帳(上・下)」小学館、各590円)。恵さんからお借りした。マンガ専門の古本屋を舞台に、古いマンガをテーマにした連作短編。最初の話が「サイボーグ009」マニアの恋愛物語で、これが手堅くまとまってるもんだから、面白くて一気読み。まあ、エピソードごとにムラはあるし、「古書」の面白さについては、ほとんど描かれないし、絵も好きなタイプではないのだけど、でも、面白い。マンガが好きで本が好きだから、しょうがないじゃないか、という感じで、楽しく読んでしまう。古本マンガのトリビアみたいになってない話の方が面白い。

金魚屋古書店出納帳 上
芳崎/せいむ??著
小学館 (2005.2)
通常24時間以内に発送します。

金魚屋古書店出納帳 下
芳崎/せいむ??著
小学館 (2005.2)
通常24時間以内に発送します。

矢沢あいNANA 1〜11」集英社、各390円)。バンドものだということで、とりあえず目を通す。バンドが話の中心にいるけど、基本は恋愛のレディコミであった。これが人気あるというのは、分かる気もするけど分からない気もする。普段、マンガを読まない若い人にウケるような気もする。

した事とか

▼帰省から帰って、一人暮らし。ほとんど仕事で遊ぶ暇は無かったのだけど、それでは寂しいので無理から遊びに行ったりして、無理がたたって、31日はほぼ一日中気絶していたりした。

iPod本の新しい奴が本格スタート。レイアウトを考えるためのサンプル原稿を書いたり、全体の構成を考えたり。

▼日経01では時短特集。「PodCastingで英会話を学習」の取材でケロログの代表に会ったり、「PSPでムービー」で魚輪君を取材したり、千葉の奥までホームサーバー住宅を見に行ったり、「買物王」とか言って、俺の古本とかを写真に撮ってもらったり。その中で八千代中央に行ったのだが、その遠さより、千葉高速鉄道の料金の高さに驚いた。

▼同じく日経01で「頭の体操系グッズ」特集。DSの「脳を鍛える大人のDSトレーニング」とか、PSPの「文字ぴったん」とか、パソコン用の「コナンIQ」とか、その他、その手のソフトやハードをやり倒す。意外に自分の脳が衰えていないことに驚いた。集中力さえ途切れなければ、IQ140〜160をキープ出来る。

▼28日は、海風號で「やかんの本」の打ち合せ。設楽さんにラーメンをご馳走になった後、渡邊かをるさんの事務所へ。「新生水」という1リットル400円以上する水を、そうとは知らずがぶ飲みさせてもらいながら、本の概略についての了解とか、説明とか。渡邊かをるさんが乗り気なので嬉しい。事務所にあったビンテージのギターを弾いてみたかった。

▼29日も海風號へ。この日はmad__hatter君に紅茶を教えてもらおう茶会。出席は俺と勝又さんとmad__hatter君の三人。こじんまりと紅茶を飲む。後半、恵さんも参加。リーフルの「THURBO Tippy Clonal DJ-254」が美味かった。水だしの冷茶も。茶会終了後、シモンで夕食。

▼30日は、ウチでプーアル&冷茶茶会。10時間近いロングラン茶会になった。盛り上がった。

▼魚輪君を取材した日は、ウチに来てもらって喋って、天鳳で夕食。リニューアルして店内もキレイになって、味もアップ。

▼01は取材だけでなく原稿も多くは31日までに書き上げ。志の輔さんの三越劇場の会が取れなかったのが本当に残念。

7月24日〜7月31日までの備忘録

▼もはや、毎日の日記を遡るのは不可能なほどに溜めてしまったのだけど、この1ヶ月、書くことは山ほどあるので、とりあえず備忘録代わりに、10日単位くらいでまとめて、読んだ本とか、そういうのだけ、書いておこうかと。

乱視矯正入り使い捨てコンタクト

▼午前中、血液検査で親父に血を抜かれて、親戚の眼科に行って乱視の矯正が入った使い捨てコンタクトを試させてもらう。普通のコンタクトでは本が読めなくて困っていたのだった。で、乱視のせいかと思っていたら、それが正解。乱視が入っているタイプは、度が強いものがないので、今までしていたものより度が下がるのだが、それでも乱視入りのほうが見やすい。本や小さな文字は、見事にクリアに見える。問題は、2Weekタイプしかないことだが、まあ、その辺は、1dayの乱視無しと併用しながら凌ごうと思う。もしかしたら、老眼のせいで本が読みにくいのかもと思っていたけど、老眼はまだ来ていないらしい。後、廉の目も見てもらった。そして、その眼科の若先生(従妹だが)に、ブックカバーを営業して、2個、注文をいただく。あり難い。

▼SWAのお盆公演と、昇太&山陽のこころの旅の電話予約。佐賀から固定電話でかけたせいか、10分程度で繋がって、あっさり予約が取れた。都内だと、回線そのものを切られたりするので、遠距離のほうが繋がるのだ。めでたいことだ。

▼午後は、廉とかみさんと母で、近所のショッピングモール「モラージュ」へ。廉が、お小遣いをもらったので、何か買いたくてしょうがないのだった。モラージュでは、オモチャ、特にレゴが安くて、ミレニアムファルコンのレゴが2000円くらいで、ぜひ買って欲しかったのだが、親の思惑通りのオモチャを買う子供なんて、この世には存在しないので、当然のように「えー?それ買うのー?」というようなオモチャを欲しがる。まあ、それはしょうがない。

▼夜は、本庄うなぎ店へ。蒸篭蒸しを食いまくる。白焼きも食った。ここのうなぎはなかなか美味いのだった。白焼きを、もう一度皮だけ陶板焼きにするのが面白かった。あと、ここのほうじ茶は美味い。

▼などと、色々やってたら、仕事なんて出来ず、夜は夜で草臥れて寝る。