「神狩り2」と発熱

▼何だか熱に浮かされたように、山田正紀「神狩り2 リッパー」徳間書店、1900円)を読んでいたら、本当に熱が出たようで間接は軋むは、寒けはするは、震えは来るはで、明日締切りの原稿も書けない状態になってしまう。頑張って書いてみるが全然まとまらないので、編集の方にメールいれて締切りを1日延ばしてもらう。
▼ただ、そのまま寝たら、あまりにも何もしない一日なので、「神狩り2 リッパー」を読み終える。本当に、この本のせいで熱が出たのではないかと思うくらい、熱の塊のような物語であった。神クオリアが発動したのかもしれない。とにかく最後の数ページのあまりにもカッコいい、急転直下に展開するシーンのために、原稿用紙1100枚の言葉が費やされている、その構築力と、そこまで緻密に構築してきた物語を、「カッコいいシーンを書く」ということのために、平気でほうり投げて、最後の「ハッ」という、ただ一言の嘲笑に凝縮させる、その気持ち良さというか潔さ。フェアレディZの使い方とかね。もう泣けて泣けて。何と、30年の年を経て、神の喉笛に迫ってしまったということが、本当に凄いと思う。それが出来るというのは、いったいどれだけの想像力なのだろうと思う。神という存在を、神という存在感のまま狩り立てることが出来る「小説」というジャンルが、俺は本当に好きなのだ。そういう趣味の方向を30年前に教えてくれたのは山田正紀で、確認させてくれたのが今の山田正紀で、何だかお世話になりっぱなしである。多分、ここ数年のベストであることは間違いない、本気の傑作だと思う。どのページを開いて、どこを読んでも泣きそうになる。

神狩り 2 リッパー
山田正紀

出版社 徳間書店
発売日 2005.03
価格?? ¥ 1,995(¥ 1,900)
ISBN?? 4198619905

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▼そんな感動と、熱と気持ち悪さにごちゃまぜになりながら寝る。寝苦しくてしょうがない。