三遊亭白鳥独演会で聴いた絶品「仁侠流山動物園」

▼また気分が悪くなって原稿が書けなくなるとマズイので、日中に急いでASAHIパソコンのソフトレビューを書く。モノは、プロジー(お、今をときめくライブドア関連会社だ)の「HT VHS to DVD Extreme」というソフト。VHSテープを簡単にDVDに焼きましょうという趣旨のツールで、その点での工夫は色々あって使いやすい。ただ、この手のソフトは結局キャプチャカードとの相性だったりするし、初心者対象のものほど、その気になって使うと使いにくい部分もあって評価が難しい。まあ、図版とか事前に作っていたので、作業そのものはスムーズに終了。
▼多少、体調に不安を覚えながら、この雨の中、下北沢は「劇」小劇場に三遊亭白鳥独演会 SWAN DIVE」を見に行く。会場で魚輪君と待ち合わせて、雨の中順番待ちして入場。熱っぽい身体には結構堪えたが、中に入れば大丈夫。魚輪君とバカ話のような凄く重要な話のような、人に聞かせれば金が取れるような話をしながら開演を待つ。ほぼ7時ちょうどに白鳥師匠登場。ラフなオーバーオール姿なので、オープニングトークかと思ったら、そのまま普通に高座に座って、落語のようなそうでないようなおさかな天国というネタへ。いわゆる根問モノで、ご隠居さんと八さんの問答のスタイルで魚の名前の由来をこじつけていくというネタなのだが、その魚の名前を客席に聞くというのがポイント。シーラカンスとかアロワナなんて名前をこじつけて喋っていた。雨のせいで、花粉症はそれほどでもないらしく、19日の親子寄席の時に比べると遥かにコンディションは良さそう。で、続いてゲストの清水宏による「架空の映画の予告編」。実写版ドラえもんとか、十三日の金八先生とか、そんなの。相変わらずの芸だけど、やっぱ直に見ると笑ってしまう。暑苦しいが、それも味。続いて、今度はちゃんと着物を着て白鳥師匠登場、ネタは「舟徳」なのだけど、「舟徳」の後日談というか、若旦那の実家の秘密から、隠れキリシタンによる奇蹟まで、話はゴチャゴチャに未整理のまま、しかし、メチャクチャ笑わせながら進行。途中、展開があまりに力技なので聞いてて草臥れるけど、白鳥ワールド全開のネタ下ろしだから聞ける完成度の低い笑いが楽しい。しかし、このネタ、枕込みで50分越えたんじゃないか。で、しばらく休憩があって、最後にまた白鳥師匠の(独演会だからね)新作「仁侠流山動物園」。これは、奇跡的な名作。凄かった。今までの白鳥師匠の新作の集大成的な落語だったと思う。年老いた象の政五郎の他には、豚と矮鶏と牛しかいない、動物園というより焼き肉屋のような流山動物園で、倒れた象の政五郎を獣医に見せるため、豚の豚次が、かつて世話になった上野動物園のパンダの親分に出張をお願いしに行くというのが発端。そこから話は二転三転。最後は広沢虎蔵もどきのインチキ浪曲ウクレレ付き)で締めるという、本気で笑った大名作。これは良かった。ホント。他にも正蔵お練りの裏話とか、危険なネタもあり、終わってみると元気になっていた2時間40分。
▼下北沢のインチキなカフェみたいな店で魚輪君と飯食いながら喋る。ただ、多少体調が戻り切れてなかったせいで、いつもほど元気に喋れなかったように思う。ダメだなあ。今度、ちゃんとハイテンションで盛り上がろうぜ。
▼帰宅後は、AllAboutのメルマガを書いて発行。これもコラム以外は夕方までに書いてたので、コラム書いて発行しただけ。で、倒れ込むように寝る。どうにか体調は戻ったと、この時点では思っていた。