永利と夜光曲とH2

▼夜の予定をゆっくり過ごしたいということもあり、まだ午後も早い内から真面目に仕事。日経キッズの原稿を書いたり、ASAHIパソコン用の原稿の下準備をしたり、もし、夜仕事したくなくなった時のために、オールアバウトに原稿が一日遅れてもいいかと電話したり、メールの返事出したり。とりあえず、最悪、夜何もしなくても明日頑張れば問題ない、というところまでと思って原稿書いてたら、約束の時間になってしまい、遅刻遅刻と慌てて池袋へ。
▼バタバタと、結局待ち合わせに30分遅れて池袋の中華料理屋「永利」へ。ここは、何度か行く機会がありながら、色々合って行けなかった因縁の店。安くて美味くて中国っぽいと評判で行った人の中で悪い話を一つも聞かないという店。先日、やはり行けずに「行きたかったー」と友だちのblogにコメントしていたら、それを見ていた秋田のsmashさんが「今度上京するので、みんなで永利に行きましょう」と声をかけてくださったのだった。つーわけで、お茶関係の方々総勢9名で、火鍋を中心にした中華食事大会。永利は確かに美味かった。どれも美味かった。特に、どう見てもビーフシチューみたいな酢豚と、平たい板春雨と、ゴマダレと火鍋のスープで割ったインチキタイカレーみたいなので食べた羊肉とマイタケは絶品だ。あと、酢豚のソースを付けて食う花巻も。しかし、メニューとか見ると、色々美味そうなものが多く、次回は鍋でなく一品料理を中心に攻めてみたいと思った。麺類とか。で、そういう美味いモノ食ってるせいか、話もやけに盛り上がり、トイレに立った帰り道、さすが中国人のテーブルは賑やかだなあと思いつつ、自分とこに戻ると、そこが一番うるさかった。凄い。俺が入ってなくてそれだ。
田中芳樹「夜光曲 薬師寺涼子の怪奇事件簿祥伝社ノンノベルズ、819円)を読む。ドラよけお涼シリーズの6冊目。基本的には短編の構造で、きっちりとアクションを描くスタイルなのであっという間に読み終わる。その読むスピードも考慮して書かれているのが気持ちいい。昔のアダルト・ウルフガイ・シリーズの前半に近いノリだ。今回は、いつも以上にきちんと怪獣小説になってて、その意味のない大掛かりなアクションが凄い楽しい。この間から散見される都知事ギャグも好調。

夜光曲(ノン・ノベル)
田中芳樹

出版社 祥伝社
発売日 2005.02
価格?? ¥ 860(¥ 819)
ISBN?? 439620793X

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▼木曜日は、「富豪刑事」「H2」という今クールでちゃんと見てる数少ない連ドラが集中している日。まあ「富豪刑事」は、ああいうコメディ・ミステリとして、トリックとケイゾクの裏を合体させたみたいなものなので、ワハハと笑って見ればOK。で、「H2」は、まともに名作なのだった。あんまり言われてないけど。あだち充だからと敬遠してる人ほど、見た方がいい。原作からエッセンスだけ取り出してまとめる手腕が抜群。で、重要なセリフはきちんと言わせながら、ちゃんとテレビドラマ的にはぐらかす。山田くんのボケの使い方が上手い。石原さとみのガナリ声も良い。市川由衣が、あと一歩踏み込めば、もっと名作になるんだけど無理か。渋谷系女子プロレスの頃の方が芝居がましだというのは緊張感の欠如か。ともあれ、大人がいて、子供がいて、青春も、人生もあって、全部が野球でもあり、コメディでもあり、ドラマでもある、という全体な感じが描けてるドラマなのだった。オフィス・クレシェンドって、こういうのが本当に上手い。ドラマの「池袋ウェストゲートパーク」が、原作のイメージを遥かに越えて面白いのは、こういう、大人と子供の両方がいて世界は動いているという当たり前を描けるスタッフが作ったからだったんだなと、改めて思う。「ピカンチ」「Stand Up!」と来て、ついに普通の一歩手前まで。凄いと思う。