「はじめての落語。」と「PMP-1200」
▼「DO YOU?」14ページと比較的大きな仕事を仕上げたので、何となくぼんやり。が、ぼんやりしたままではマズイので、昨日やり残した、MacFanのレビュー用の図版作って、ASAHIパソコンのレビュー用に、NEXXの「PMP-1200」を使い倒し、写真を撮り、図版を作り、荷造りして編集部に送り返し、昨日の日記書いてたら、もう夕食の時間。時間は凄い早さで過ぎていく。
▼春風亭昇太出演・解説、糸井重里監修「はじめての落語。春風亭昇太ひとり会」(東京糸井重里事務所、2190円)を読んで、付いてたCDも聴く。昇太師匠の落語をとっっかかりにして、落語体験をしようという企画で行われた、六本木ヒルズでの「ほぼ日寄席」の模様をCDと本にしたもの。糸井さん、こっちに来たかー、と思うと、嬉しい反面、凄い腹も立つ。同じ企画は数年前、俺がやろうとしてボツったネタだし、今でも新作落語の速記本は出したいと思ってるのだけど、先越されたというか、後ろから追い越されたというか、糸井重里って、何かもう、80年代からそんな感じ。ファンだけどね。でも、どっかでライバルだとも思ってる。糸井重里、橋本治、高橋章子、島森路子、景山民夫、いとうせいこう、みうらじゅんとか、そのあたりの人たちの背中を見て、いつか見てろ、と憧れつつ、対抗しつつ生きてきたからなあ。大好きだけどね。落語はさあ、俺の方が先に本も出してるんだけどなあ、とか。児童小説も俺が先だぞ。まあ、それはそれとして、収録作品は、お馴染「人生が二度あれば」と古典から「壺算」、で、オマケにムードデラックスから「愛犬チャッピー」。後、昇太師匠が歌う「初めての落語。の歌」も収録。噺のセレクトも、まあこんなもんかと思う。「人生が二度あれば」は昇太師匠お気に入りのようで、確かに最も多く聴いた昇太新作落語の一つ。「壺算」も多いなあ。チャッピーは既にCD出てるから、出来れば違うのがよかったか。マサコとか。セレクトとしては、「おやじの王国」か「花粉症寿司屋」というのもあったかも。本はオマケだなあ。例えばCDに入ってない噺(古典で良いから)も活字で収録とか欲しかった。でも、こういう本が普通に書店に並ぶのは悪くない。流石、糸井重里と言っても良いかと思う。つーか、言うから是非、ちゃんと売って欲しい。
▼ふと見たら、SMAP×SMAPで氣志團が歌っていた。翔やんが歌う「SHAKE」と、妙に木村君が足を引っ張る「夢見る頃をすぎても」は、録画するべきだったか。うーん、普段スマスマはチェックしてないから失敗した。「やっぱり猫が好き2005」は録画しつつ見る。小林聡美が一番キツイなあ。他の二人は若い頃からキャラ作りをきちんとやってたんだなあと思う。詳細な感想は、録画分を見返してから。
▼星野博美著「銭湯の女神」(文春文庫、562円)を読む。女性エッセイについて考えるシリーズ第二弾になった。面白く読んだのだけど、読んでる間中気になるのは、この本の筆者の視点の狭さ。カメラマンという職業柄、視点を決め打ちで見るクセがついているのかと思うほど、「見てないことには想像を巡らせ」「見たものは、そのまま抱え込む」というスタンスは、ちょっと息苦しい。でも、この狭さというのも女性エッセイの一つの典型だと思うのだ。で、狭いほどに社会性を増す傾向もあると思う。後、アジアに目を向ける人によくある傾向として、香港のディープな場所で、そこで生きる人々に触れて、それを日本と比較したりする。その時の比較対象は日本のディープな場所ではないのだ。別に、きちんと比較することはないと思うけど、そのへんが適当だと、話そのものが暗くなるのだ。面白い話は、結局、書き手の視点の問題で、そこが狭苦しいと文章も面白くなりにくい。その典型みたいな文章と、凄く面白くなりそうな残念な文章が入り乱れて、俺としては凄く面白かったのだが、うーん、これはカメラマンという職業における視点の限界についての本なのかも知れない。
銭湯の女神(文春文庫) | |
星野博美著 出版社 文芸春秋 発売日 2003.12 価格?? ¥ 590(¥ 562) ISBN?? 4167656884 bk1で詳しく見る?? |