「プルートウ 002」と「時代劇マガジン Vol.11」

▼作:武論尊+画:池上遼一「"超"三国志 霸 -LORD-」1・2巻(小学館、各505円)を読む。名前の並びを見ると古くさいコンビだなあと思うけど、池上遼一の絵というのはやっぱ大したもんではある。その絵で描く三国志というのは読んでみたいと思って買った。で、読むと、それだけというか、武論尊のストーリーはちょっとシンプル過ぎる。で、絵は見せる。凄いなあ、若々しいんだもんなあ。今でも上手くなり続けてるし。

覇〓LORD〓 2

小学館 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

浦沢直樹×手塚治虫プルートウ 002」小学館、524円)を読む。「002」って100冊以上続くつもりか、と一応突っ込みつつ購入。アトムのキャラが良いなあ。顔が上手い。短い元の話を膨らませているのに密度が濃いままというのも凄い。展開が速く見える。逆の、ごくしっとりと時間が進む「立川談志朗読による『地上最大のロボット』」を笑芸人 Vol.16の付録CDで聞いていたせいか、その対極ぶりも面白い。素材を面白く見せる工夫の正しいベクトルは一つではないということも分かって嬉しい。

プルートウ 2
浦沢 直樹 / 手塚 治虫 / 手塚 真
小学館 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

ブラック・ジャック・マガジン」秋田書店、657円)も読んだ。永井豪青池保子はワンランク上だなあ。永井豪百鬼丸に襲いかかる妖怪の絵がたまらん。後半に載っている「ブラックジャック M」を読めば分かるように、まともにブラック・ジャックをやろうとすると物語そのものは手塚治虫のオリジナルに全然敵わない。そのくらいブラック・ジャックという物語はデリケートだ。ヒューマニズムにも正義感にもピカレクスロマンにも傾かず、医療についてマンガとして描くなんて技は、手塚治虫だからこそのマンガ。それを他のマンガ家が描こうとすると、別物にする以外には面白くすることは出来ない。永井豪の筆力と馬鹿馬鹿しさなら、パロディもどうにかなる。でもそれは永井豪とか藤子不二雄つのだじろうあたりにしか出来ないようなもんだと思う。そこで青池保子のような方法が出てきて、ブラック・ジャックというキャラに対抗できるジェイムズ君で見事にブラック・ジャックというキャラを取り込むことに成功。そういう意味では、たがみよしひさが選択した絵柄も成功の方だろう。

▼他に、「時代劇マガジン Vol.11」タツミムック、1400円)とか、「趣味の文具箱 Vol.3」(エイ出版、1500円)とかも読む。「時代劇マガジン」は、「阿修羅城の瞳」の市川染五郎×宮沢りえの対談とか滝田監督のインタビュー、「真夜中の弥次さん喜多さん」の宮藤官九郎インタビュー、阿部サダヲインタビュー、「オペレッタ狸御殿」の鈴木清順インタビュー、美術の木村威夫インタビュー、読み物には弥次喜多列伝、柳生十兵衛列伝。怖いほどの充実ぶり。趣味の文具箱は、ちょっと万年筆に寄り過ぎなのと、何か、前に書いたガイド記事と被ってるネタが多いのは気になったけど、カタログ本としては、まあ便利。

▼後は、ガイド記事の準備とか、お茶ブログとか、この間の「EARTHDAY LOVE & MUSIC DAY/2005」の生中継を録画したのを、曲毎にチャプター切ってメニュー作ってDVDビデオにしたり(これが時間かかったー)した。