「奇想の図譜」とダラダラ連休

▼日中は家族全員でダラダラ。廉とニンテンドッグスで遊んだり(これ、相当面白い。音声認識機能の正しい使い方の例として現在最高レベルなのではないか)、昼寝したり、冷茶仕込んだり、本読んだり、DVD見たり。

辻惟雄「奇想の図譜」ちくま学芸文庫、1400円)を読む。「奇想の系譜」ちくま学芸文庫、1300円)の姉妹編。アイディアと趣向の話、アマチュアリズムの話、かざりの話の3つを色んな角度から論評していて、俺的にはとてもエキサイティング。何より、日本の美術の根底には「面白がらせよう」が潜む、という考察は、ずーっと俺が考えてることだけに、こういう俺の考えとは別の方向からのアプローチでもそこに行き着くというのは、読んでいてとても嬉しい。あと「かざり」についての考察の中の、日本人と見立ての考察の中で「本ものそれ自体では、意味も趣向もない。(中略)神は、本ものは悦ばない。趣向という精神の働きに悦びがないからである。神を迎える祭りの日には、人々は精一ぱいに趣向を「見立て」て、造り物をして、あっと云わせる。神は、これを「風流」として受納するのである」という郡司正勝氏の「風流の図像誌」からの引用がある。この「本ものそれ自体では、意味も趣向もない」という言葉に、やたらと勇気づけられる。ねえ、ツマンナイよねえ本物は。とか、信じてもいない神に語りかけたりする。絵も、写真も、文章も、全ては人が表現してるから面白いのであって、事実を伝えるなんてアホにも出来るツマンナイことだ、というのは、早く常識になってもらいたいなあ。

奇想の図譜
奇想の図譜
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 5
辻 惟雄 / 辻 惟雄著
筑摩書房 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

▼何かね、気持ちがゴールデンウィークだからか、無料原稿は書く気になりにくい。お茶ブログもネタは溜まってるけど、実際に書き出すのが何故か難しい。仕事の方は何故か6日締切りなんてのもあって、そっちは書く前の準備中。単行本書かないといけないけど、ちょっと立ち上がるのに時間がかかる。連休後半はやろう。などと反省しつつ、今日の日記はさっさと上げて、この後は秘密。