「iPod Fan Book」外国語版と「人工憑霊蠱猫」

▼久々に、アシストオンにかみさんと廉を連れていく。かみさんの折畳み傘が壊れたので、「Knirps X1」を買いに行ったのだった。買って、AllAboutの記事にもしようという目論見。アシストオンでは、「Knirps X1」の限定色だけ扱ってるので、どの柄にするかはかみさんに見てもらわないとということで連れていったのだった。ついでにブックカバーのプロトタイプも持っていって、大杉君と打ち合わせ。

毎日コミュニケーションズからiPod Fan Book」オライリー)のドイツ語版とフランス語版が送られてきた。自分の本が色んな言語に翻訳されているのを見るのは嬉しいなあ。何か、帯の扱いが各国それぞれなのも面白い。アメリカでは「帯」という文化が無くて、でもそれがデザインの一部になっているというのが面白いと、増刷の時に帯をiPod miniに合わせて5色で展開することになった。ドイツもフランスも、やはり「帯」文化は無くて、どちらも帯ごと印刷された表紙になっているのだけど、ドイツは帯部分が透明な感じになって、本来の表紙部分が透けて見えるデザイン、フランスはべったりと帯部分をそのまま印刷している。また、フランス版はカバーすらなく、さらに翻訳者の名前もなく、著者名はYsasukuni Notomiとあるだけ。俺がフランス語で書いたみたい(読めもしないが)。内容も微妙に違う、というか、ドイツ版は相当端折ってるし、フランス語版はアメリカ版より丁寧に俺の本を再現してる。あと、ドイツ版は漫画本みたいにシュリンクしてある。立ち読み防止か。

あ、ドイツ語版は、下のリンクから買えます。
iPod: Das Buch zum Kult-Player

アメリカ版はこっちから。
iPod Fan Book: Go Everywhere With iPod

化野燐「蠱猫 人工憑霊蠱猫01」「白澤 人工憑霊蠱猫02」(共に講談社ノベルズ、各880円)を読む。三部作で完結編「渾沌王 人工憑霊蠱猫03」は7月に発売されるらしい。妖怪研究では有名な化野燐氏の小説デビュー作。この方のサイトの中の妖怪データベース「白澤樓」にはお世話になっている。で、小説だが、個人の妄想の中の生き物を現実にするという本を巡って、大学の中で起こる抗争を描いた学園アクション妖怪伝奇小説といったところか。妖怪的なモノとSFアクションを繋ぐアイディアとして面白いのだけど、小説は素人というか、とにかく最初は描写がありきたりで、話の運びもモタモタして、面白そうなのに楽しめない、という状態が続く。やりたいことは分かるし、それはとても面白そうなのに、と思うと余計にもどかしい。アクション描写も、妖怪蘊蓄話も、どちらも文章が溌剌としないというかリズムが悪いというか、別に下手な文章ではないのに、何か違うという感じがする。多分、文体が物語に合ってない。と思いながらも、妖怪好きのポイントは外さないので、それなりに楽しく読み進める。と、2冊目の中盤あたりから、文章がスッキリと読みやすくなる。アクションシーンの描写の分かりにくさや、キャラ頼りな書き方は残るものの、リズムは俄然良くなるのだ。多分、ですますの一人語りが合う人なのだろう。石和さんの語りが増えてからは読みやすくなる。こうやって、作家も育っていくのだなと思う。ただ、無理に萌えを入れることはないような気がするし、青春部分も微妙。妖怪一本で走って欲しかった気もする。まあ、終わってないから、後は最終巻読んでから。

蠱猫
蠱猫
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.30
化野 燐
講談社 (2005.3)
通常24時間以内に発送します。
白沢 02
白沢 02
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.30
化野 燐
講談社 (2005.5)
通常24時間以内に発送します。

iPod shuffle artcaseのダウンロード販売ではなく、実際に通販や展覧会で売る「祥洲作品集01」の試作品の作成。紙の選定に手間取ったけど、結局、クラフト用紙、和紙、写真用マット紙の3種類を作品によって使い分けることにした。あと、無料サンプルはヤメにするという方向になりそうなので、こっちの作品集に無料サンプルにする予定の作品を入れることにする。さらに全体を収納するフォルダを作って、裏に作品のサムネイルを印刷して入れて、たかだか5冊作るのに、5時間くらいかかった。1冊1時間か。これで3800円なら安いと思うけど、価格は3000円くらいに押さえないと売れないかなあ。それだと赤字にならないという程度だが。出来は良いよー、とても。原美術館ミュージアムショップやナディッフあたりに置いてもらいたいくらい。