京極噺と新横浜ラーメン博物館

ソフトバンク編集のフリーペーパーの原稿を書くのだが、そこで取り上げるグッズが色々送られてきているので、それを使い比べ。まあ、デジタル音楽プレイヤーが中心で、ほとんどの機種をよく知ってるので、新製品で触ったことない奴だけ、ざっと使って見る。面白そうなのは、アドテック「mpio-one」(35000円くらい)。この小ささで、動画再生可能の1GBプレイヤーというのは新しいかも。動画は付属ソフトで作ったmp4のみというのは狭いけど。

▼蒲田で魚輪君と落ち合って、京浜東北線で関内へ。関内ホール大ホールで「京極噺」という、京極夏彦作の物語を、講談と狂言と落語で聞こうという、マニアックなんだかメジャーな催しなんだか分からないイベントを見にいった。席は最前列。で、最初は神田山陽による 巷説百物語より小豆洗い」の講談。これは、原作小説を元に、神田山陽が勝手に講談に仕立てたというもの。SWAの着物を着ているものの、かなり緊張していて、かなり練習した様子の山陽さん。物語の大筋はいじらずに、しかし原作を知ってる人ほどビックリする仕掛けを入れて、全く別の物語に作り替えているのは良かった。講談というフォーマットにきちんと妖怪話をはめて、ギャグもいっぱい入れながら、最期はホラーに持っていく構成は好き。続いて、大蔵流茂山千五郎家狂言京極夏彦書き下ろしによる新作狂言「新・死に神。「あじゃらかもくれん」の呪文が最高。相変わらず、年寄が卑怯な事で笑いをとるというパターンは健在で、とても卑怯に笑わせてもらう。死に神の装束がまた、前が黒猫の刺繍で、後ろに「仏滅」と大書してあって、下駄が頭に乗ってて、縁起が悪い絵がそこら中に書いてある。大バカやろうな衣装で、アホみたいな死に神が展開する。砂時計を使うというアイディアがとても狂言向きで、しかも死神も人間も条件は同じというのが馬鹿馬鹿しくて楽しく、高田文夫の「死神」以来の名作になってたと思う。これは、面白いから、機会があったら見るように。で、15分の休憩の後、春風亭小朝師匠登場。演目は、京極夏彦古典落語の死神を改作した死に神・リミックス」。ただ、実際の噺はリミックスというよりは、多少合理的にした上で、下げを長目に作り込んだという程度で、例えば、白鳥師匠の「死神転生」みたいな大掛かりな改作ではない。病の原因に小鬼を持ってくるあたりが、京極さんっぽい。小朝師匠は、ちゃんとジジババ騙しではない、今の実力をきちんと発揮した形での高座だったと思う。真面目にやれば面白い。危険なくすぐりも、どーでもいーギャグもきちんと入れていってたのは、茂山狂言版「死に神」が面白過ぎたからではないかと思っている。落語として、アレには負けられないとか。ともあれ、とても面白い2時間。この公演、6月22日にすみだトリニティーホールで行われるのだが、そのチケットが実は余ってる。行ける人、連絡下さい。これも最前列で、15時開演、6500円。一枚希望なら、俺と一緒に、二枚希望なら、その二人で、行きませんか?ご連絡はメールでね。

▼終演後、まだ8時だったので、地下鉄乗って新横浜に出て、「新横浜ラーメン博物館」に行って見る。魚輪君も行ったこと無いというし、夜の遅い時間なら人も少ないかと思って。で、行って見ると、人出もちょうどいいくらい。どの店も、最長10分待ち。ほとんどの店は、即入れる。で、普段食べられないラーメンを食おうということで、まずは和歌山の「井出商店」へ。コクのあるとんこつ醤油のラーメンで、普通に美味しいチャーシューが乗ってて、硬めの細麺がとても美味かった。続いて、旭川「蜂屋」へ。北海道は味噌かなと、ここでは味噌ラーメンを食う。スープが美味い。北海道からはもう一軒、札幌の「欅」が出店してて人気になってたけど、俺は、「蜂屋」の方が好きだなあ。「欅」は取材で本店のを食べたことがあるのだけど、ちょっと見た目とかアイディアが先行しすぎの印象。他に、荻窪の「春木屋」とか博多の「ふくちゃんラーメン」とか知ってる店が多かったのは、偶然だろうな。でも、人が少ないなら、色んなラーメンをハシゴ出来るので楽しい。また、何かのついでがあったら寄ってもいいという感じか。

横浜駅に戻り、プロントの夜カフェでお茶しながら、さらに魚輪君と喋る。プロント夜カフェブレンドコーヒーは、ボールカフェオレみたいな巨大カップに入ってくるのが可笑しい。さらに京浜東北線で蒲田まで、ずーっと喋る。こうやってずーっと喋ってて、ずーっと面白くて、安心してフルで笑える相手というのは、本当に今や数少なくて、でも、ちゃんと何人かいてくれるだけであり難いと思う。魚輪君、いつもどうもです。

▼帰宅後、ソフトバンクのフリーペーパー用のグッズの整理とか、溜まっていたお茶ブログの更新とか(5つ一気書きで疲れた)、調べ物とか、読書とか。