帰省と「白い館の惨劇」

▼久々の完徹のまま、軽く朝飯食って東京駅へ。駅でパンとか買ってから、東海道新幹線9時50分発のぞみ13号で博多へ。もう、眠いから、あっという間に熟睡。起きたら名古屋。もう一眠りしたら13時だったので、パンを食って、また寝る。気が付くと広島。このあたりから、iPodなど聴きながら、本を読んで、うとうとして、を繰り返したら博多。急いで、特急に乗り換えて、佐賀へ。実家にたどり着いたのは、16時過ぎ。家を出たのが8時40分くらいだから、7時間30分の行程。ウチ、4時間は寝ていたので、かなり楽チン。

▼倉坂鬼一郎著「白い館の惨劇」幻冬舎、1600円)を読む。これがまた、ヘンな話だった。だけど面白かった。誰が何を書いているのか、という視点でメタテキストを扱って、その中で過去の殺人事件を掘り起こし解決する。その解決自体も妄想みたいで、そのグチャグチャ加減が楽しい。その上で、ほとんど事件に関与しないままドタバタするゴーストハンター&黒川と、彼らに対抗する吸血鬼原理主義者の陰謀が、またマジなのか間抜けなのか。ちょっと綾辻行人の「水車館の殺人」に似てるんだけど、ホラー的に仕上げている部分がストレートな分、こっちの方が分かりやすいというか、ちゃんとホラーしてる。それにしても、本当にヘンな小説で、どうも、このシリーズは全部ヘンらしい。楽しみは続く。

白い館の惨劇
白い館の惨劇
posted with 簡単リンクくん at 2005. 7.25
倉阪 鬼一郎
幻冬舎 (2000.1)
この本は現在お取り扱いできません。

暴れ会と帰省準備

▼日中は、お茶ブログの更新。海風號の通販バーゲンのお知らせは、早くアップせねばならないので急ぐ。あと、溜まってたネタからいくつか。それにメールの返事とか、問い合わせとか、明日から帰省なので、事前に済ませておくことが多くて、バタバタする。

▼夕方、本屋に行って、明日の新幹線とかで読む本の物色。今回は基本的には倉坂鬼一郎のゴーストハンター&黒川シリーズを読む予定だが、他に息抜きが欲しいと思って見つけたのが、小説すばる 8月号」集英社、829円)。第一特集が「ホラー&幻想の短編大特集」で、朱川湊人我孫子武丸山田正紀津原泰水井上夢人福澤徹三らの短編小説が掲載され、第二特集が「落語ブームに便乗! 夢枕獏×SWA5人衆」で、夢枕獏とSWA(昇太、山陽、白鳥、喬太郎、彦いち)の五人の対談、SWAの五人による書き下ろし新作落語の一挙掲載、さらに田中啓文の落語ミステリー短編も掲載。あと、古川日出男のロックな短編小説も入っているという豪華版。旅のお供に、何と良い本だろうか。しかも、ちょうどよいことに、俺は、この手のA5版の雑誌用のブックカバーも製作済み。百鬼夜行抄の新刊とかと一緒に購入。

▼昨晩、唐突に決まった暴れる会に出席するため吉祥寺の南ぬニライカナイへ。もしかしたら転勤で引っ越す1496さんと飲む機会はなるべく逃さないが、今月の俺の目標。明日が帰省だろうと、仕事が残っていようと行く。そして、行っただけの価値があるくらい大笑いできるのが、このメンバーの凄いところ。みんなでブンブンと飛ばす。この南ぬニライカナイは、店内がとても騒々しいので、大暴れするのにとても向いているし。まあ、日付が変わる前に帰れれば良いかと思っていたら、本当に、日付が変わる直前くらいに帰宅。

▼明日の用意は全然出来ていなかったので、廉とかみさん用のiPodの準備をしたり、各ツールの充電したり、各種連絡のメール書いて、ネットショッピングのネタの整理をして、スケジュールの調整とかして、帰省の準備してたら、もう出発まで3時間を切ってしまったので、30分ちょっと仮眠して、後は明日の日記へ続く。

「赤い額縁」とiPod本のためのリスト

▼倉坂鬼一郎著「赤い額縁」幻冬舎、1600円)を読む。ゴーストハンター&黒川シリーズの最新刊「紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件」(講談社ノベルズ、920円)が面白そうだったのだけど、シリーズ四作目だということで、一冊目から読むことにしたのだった。しかし、一冊目の「赤い額縁」と二冊目の「白い館の惨劇」は、版元品切れ中。古本屋サイトで探したら、2冊で600円くらいで手に入ったのでめでたく、読み始めたのだった。しかし、このシリーズ、「本格ホラーと本格ミステリの融合」を目指して書かれていて、そのためには、物語を重層的にする必要があるのは分かるけど、しかし、重層的な物語で、メタ視点と作中作と作中作中作と…と、限りなく自己言及的なテキストが重なって、クラクラする。「読むと死ぬ」という本をめぐる物語なのだけど、実際に読むとおかしくなる、という描写(そのあたりがホラー)と、本に仕掛けられた数々の罠と暗号と悪意の解明(このあたりがミステリ)が、同一テキスト上で起こるから、読み解くのが、とても面倒くさい。面白いから、熱心に読むのだけど、読むと面倒くさい。ゴーストハンター&黒川のコンビがバカだから読んでられるようなもので、そのへんの仕掛けは上手いなあ。

赤い額縁
赤い額縁
posted with 簡単リンクくん at 2005. 7.25
倉阪 鬼一郎
幻冬舎 (1998.10)
この本は現在お取り扱いできません。

▼夕方から海風號へ。大茶会の片付けの最中にお邪魔して、大茶会に行けなかった人用の通販バーゲンのための写真撮影を行う。写真を撮りながら、価格とか来歴とかを設楽さんに聞いてメモして、気が付くとかなりの量になっていたので、いくつか目玉商品を選んでもらって、それを撮影して終了ということにする。それにしても、本当に、今回の大茶会から、この通販バーゲンと、太っ腹な安売りである。凄いなあ。俺は俺で、通販の目玉でもある、小さな民国の茶壺をゲットしてしまう。いつも、お世話になりっぱなしである。

iPod本で取り上げるグッズやソフトなどのリストを作成。今回は、写真が中心になるので、このリストがかなり重要になる。しかし、リストアップしながら思うのだけど、雑誌などで紹介されていないグッズに面白いのがいっぱいあるのが不思議でしょうがない。iPod用と書かれてないものも色々ある。そこから、目的別にナンバーワンを選んでいくのが、また面白い。面白がってるうちに、リストは膨れ上がり、ちょっと問題。しかし、書いてみないと分からない部分も多いわけで、普通のパソコン本を作るやり方では、この本は作れないから、まあ、手間がかかるのはしょうがないということで。この本の制作に関わる皆様、がんばっていきましょう。よろしくお願いします。

夏の大茶会最終日とSWA SHUFFLE

OZONE夏の大茶会が最終日なので、夕方、ちょっと顔を出す。Formosa Tea Connectionのルミさんが満面の笑みで片づけをしていた。そこで茶杯の3個セットを入手。海風號でもお土産をいただき、明日の約束をしたりする。何となく、色んな人と喋ってる間に、思ったより時間が経ってしまって、慌てて大江戸線都庁前駅へ。

国立演芸場で行われる「SWA SHUFFLE」を見に行く。SWAからメガネの二人(昇太&山陽)を抜いた三人による公演。今までSWAで作った新作落語を、シャッフルして、初演時と違う人が演じるという趣向。三人が各二席づつ、計六席の豪華版。まずは、喬太郎師匠が登場して、彦いち師匠作の「臼親父」。猿蟹合戦を使ったセラピーセミナーを落語化したような話で、彦いち師匠が迫力と情けなさのコントラストで演じていたのに対し、喬太郎バージョンは、昔話パロディ風の淡々としたスタイルでブラックに語る演出。上手さが仇になる話を選んで上手さでねじ伏せようとする心意気が好き。大体成功してるし。続いて、白鳥師匠で「駅前そだち」喬太郎師匠作の地味な人情噺。これは、行けなかった第一回目のSWA公演の時のネタなので、喬太郎師匠がどう演じたのかを知らない。何となく予想は付くものの、何せ白鳥師匠を通して喬太郎師匠を想像するというのは、かなり難しい。白鳥師匠も、そう上手くやれてたような気はしないし。で、彦いち師匠は、白鳥師匠作の「奇跡の上手投げ」。大事なサゲへの伏線を言い忘れていて、後半グダグダだし、いじめっ子のネタも振り忘れがあって、噺になっていなかった。結構キャラは合ってる話だけに、もったいなかった。中入り後は、再び喬太郎師匠で、神田山陽はだかの王様。これ、ラストで実際に裸になる噺なのだけど、それ以前は、浅野匠守といじめられっ子を上手く重ね合わせたタイムスリップ人情噺。喬太郎師匠の無駄に上手い語り口の上手さを逆手に取った下らないギャグなどで、全体をうまくまとめて、多分初演以上の出来に仕上げていた。オチも作って、脱がないで良いように変えていたし。つーか、脱ぐ方向に持っていく山陽師匠の方が、構成に無理があったというか、脱ぐために無理したというか、そういう噺なので、喬太郎バージョンの方が流れも自然なのだった。でも、無理に脱ぐ山陽バージョンの方が好きだけど。次は、彦いち師匠が、昇太師匠作の「群青色」を演じる。今回、喬太郎師匠も彦いち師匠も言っていたが、「臼親父」「はだかの王様」「群青色」は、どれも噺の構造が同じなのだ。悩みを抱えた主人公が、別世界で別の体験をして、生きる気力を取り戻す、といったパターン。「人生が二度あれば」「おやじの王国」など、昇太師匠の新作に多いパターンだけど、まあ、現代新作落語の一つの定石なんだろうと思う。その「群青色」だが、絵の具の「使われることが幸せ」という、「キレイ」の大豆兵みたいなネタがメインの噺で、彦いち師匠に合っているせいか、これはかなり面白かったと思う。昇太師匠と彦いち師匠は、実は得意技が多少かぶるんだな、ということに気が付いた。最後は、白鳥師匠で「真夜中の襲名」。これは、彦いち師匠の作だが、最初に聞いたときから、なんとなく白鳥師匠の「任侠流山動物園」に似てるし、元は正蔵襲名ネタだし、白鳥師匠向きの噺だなあと思っていたのだけど、こうやって聴くと、つくづく、白鳥師匠にはこういうネタがよく似合うと思った。まあ、より白鳥色が濃くなるように作り変えてもいたけど、最近の白鳥師匠の、人間以外の生き物を主人公にした落語の完成度は本当に高い。今回の「真夜中の襲名」も、本当に凄かった。もしかしたら、この面白さは落語ではないかもしれないけれど、擬人化というのは、こういうものだ、というのを見せ付ける、その身も蓋もなさが、とても好きだ。

▼終演後、魚輪君と赤坂見附までフラフラ歩いて、目に付いたイタリア料理屋でパスタ食って、地下の怪しいカップル喫茶みたいなところでケーキセット食いつつ、また、だらだらと喋り倒す。先週、今週と二週続きで魚輪君と喋ってるが、こういうのは週一くらいでやったほうが良いというか、やるべきかも知れない。何かのためになるような気がする。

ポケモンフェスタ2005とMINOXガイド記事

▼午前中、日能研の模試を受けに行った廉が帰ってくるのを待って、中野坂上駅内のDONNAで昼食をとり(もう行かないかも…。不味いわけではないけど)、東京ビッグサイトで開催中の「ポケモンフェスタ2005」へ。会場はとにかく広くスペースをとってあるので、人は多いけれど、それほど混雑しているという感じもなく、スムーズに見たり遊んだり出来る。この広さがありがたかった。内容は、まあ子供だましというか、ポケモンファン向きに縁日風のゲームとか、新製品の体験とか、レアポケモンの配布とか、ユーザー同士のポケモンバトルとか、ポケモンカードゲームのオープン戦とか、グッズの販売とか、そういった内容。廉は、バトルとカード戦への参加が主な目的。バトルは決勝戦敗退、カードゲームはこてんぱんにやられていた。それはもう可哀想なくらいだったけれど、廉の場合、周りにポケモンカードゲームが出来る友達もいないし、相手は俺かかみさんだし、カードの強化もしてないし、勝てるわけもないのだけど、それでも何度も挑戦しては、泣きそうになって帰ってくるのだった。まあ、何かを掴んでくれれば良いけど、どうだったか。それでも、一人で立ち直って、帰り道も明るく楽しく帰ったのはエライ。

▼何となく入手してしまって、暇を見ながらぼちぼちと読んでいた「美味しんぼ」は、入手した分の50巻までは読み終わった。やはり、あまり好きではない。何で、俺はこのマンガがキライなんだろうと思いながら読んでて、よく分からなかった。生理的なものだろうか。落語の扱いとか、凄いムカつく。まあ、どうでもいいんだけど。知らなかったが、まだ続いているらしい。

▼All AboutのWEBマガジン用に、MINOXについての記事を書く。「男の楽しみ」みたいなテーマで書けというご依頼であったので、担当者と相談の上、MINOXを紹介してみようかということになったのだった。何と言うか、このカメラは、本当に持ってるだけで嬉しくなるカメラで、それは今も変わらない。モノとしての魅力が圧倒的なのだ。持ち重りのするボディとメカニカルな操作感、シャープな描写のレンズ、数々のギミックと、やたらとセンスの良い周辺機器。俺の、山ほどの、どーでもいいガジェット群の中にあって、数少ない、持ってて本当に良かったとつくづく思えるグッズの一つなのだ.いやホント、これ良くて、今回原稿を書くのに一式引っ張り出してみたら、やっぱり愛しくて、つい触り倒してしまった。

子連れ夏の大茶会とピロースピーカー

▼All Aboutの記事用に、バード電子×suonoのコラボ作品「ピロースピーカー」とか、ミノックスの機材一式の写真をかみさんに撮ってもらうのの指示出しとか、カーブやフォークなどの変化球が何故変化するのかを教えてくれそうな取材先探しとか、ゲラチェックとか、「やかん」本の企画書のチェックとか、雑用色々。結構、忙しい。

海風號日曜日スタッフのトモちゃんと約束してたし、まだ、きちんと見て回ってないしで、廉を連れて、OZONE夏の大茶会2005へ、自転車で行く。廉と二人で、地下からスタンプラリーをしながら、じっくり見て回る。色々試飲とかさせてもらうのだけど、こういうとき子供連れだと面白い。お茶が不味いと、無言で顔をしかめながら、飲み残したままでカップを返そうとするのだ。美味いと、抜群の笑顔で一気に飲み干す。その差があからさまで面白い。廉の場合、着香系のお茶は全部×。あとカテキン増量系、健康茶系も全滅。着香系では、古今茶籍のジャスミン茶だけが、よく冷えていたこともあって合格。後は、嬉野の冠せ茶とFormosa Tea Connectionのお茶を美味いと言っていた。なるほどねえ、とか思う。海風號のブースで、トモちゃんにブックカバーの営業をして、デジカメを受け取り、設楽さんからお土産をいただき、Formosaでもお土産をいただく。ありがとうございます。

▼All About用に、バード電子×suonoの「ピロースピーカー」の記事を書く。この「ピロースピーカー」は、薄型のステレオスピーカーと、そのスピーカーを収納するポケットが付いた枕カバーのセット。これが、使ってみると予想以上に良い感じで、iPodのスリープタイマー機能と合わせて使うと本当に便利。周囲に迷惑をかけず、柔らかい音を聴きながら眠れるのが良いのだ。間抜けなようでかなりの名作なのだった。

帰省のお土産とiPodの内容整理

▼帰省も近づいてるので、その準備。新宿のデパートを回って、お土産を物色。このお土産探しというのが、最近はとても難しい。まず、東京にしか無いというお土産がほとんど無い。我が家は佐賀市という、とてもとても田舎にあるのだが、福岡が近いせいもあって、例えばヨックモックとか虎屋のレベルでは珍しくない。しかも我が家は年寄りばかりで、健康上の理由で甘いものを食べない。塩辛いものもダメだ。頭を悩ませた挙句、今回は和久傳の「古の実」のくるみと黒豆のセット。京都だけどね。まあ佐賀には無いということと、健康に留意してるということと、入物がかわいいということと、価格が手ごろというのがポイント。実家および親戚分を購入。

伊勢丹高島屋小田急と回って、廉の運動靴とか買って、久しぶりにくじら軒でラーメン食って帰る。

▼二台のiPodの内容を別のiPodに移すという作業をやってみた。iPod 60GBを購入したので、旧40GBをかみさん&廉用に回して、さらに前の20GBを、設楽さんに(古い中国の笛と交換)渡したのだが、その20GBに、設楽さんが今まで店で使っていた初代機5GBと、奥さん用の20GBの内容を合わせて入れて欲しいという依頼があったのだった。既にiPodの内容をパソコンに吸い上げるツールはいくつもあるので、作業自体は簡単(時間はかかるけど)。この作業をしながら、この作業って今後、結構需要が増えるかもと思ったので、方法を本に入れることにする。